大企業とネット企業の仕事の進め方は、大企業からネット企業に移ってきた人が戸惑ってしまうくらい違っている。どうしてもなじめなくて、辞めてしまうこともめずらしくない。ネット企業の場合、組織的に仕事を進めるというよりは、個人で仕事を進めることが多い。これは、組織的に仕事を進めるのが、もともとネット企業は苦手だというところからきている。よくある問題は、部門の責任者を飛び越して、経営陣が直接担当者に対して仕事を指示してしまうこと。こうした指示系統の乱れは、組織内に混乱を引き起こしてしまうだけだし、情報も正しく伝わらない。違っている点はまだある。ネット企業の場合、それまでの仕事の進め方と大きく違っていても、仕事の効率が上がるような、新しいアイディアに富んだやり方であれば、採用されることが多い。しかし、大企業の場合はそうはいかない。新しい仕事の進め方がどんなに仕事の効率を上げることができたとしても、あくまでも従来の方法を守ろうとする。よほどの理由がない限り、新しい進め方を採用するようなことはない。ムダな会議・資料が少ないという点も、ネット企業に見られる特徴の一つ。大企業で働いた経験があればわかると思うが、大企業の場合、些細なことを決めるだけでも、ムダだと思うような会議を何回も開いて決めることがある。資料についても、一体誰が読むのだろうと首をかしげたくなってしまうようなものをたくさん作るのが習慣になってしまっている。ネット企業には、このようなムダな会議・資料といったものがまったくといっていいほどない。スピードと簡素化が、ネット企業の仕事の進め方の特徴だ。良いか悪いかは別にして、そこが大企業とは大きく違っている。
先日、ある大企業を訪問して、経営効率のためにSCM活動の企画を検討した。その際、担当の事業部長からこう頼まれた。「先生、わが社にはお客様のお客様からサプライヤーのサプライヤーまでわかっている人は一人もいません。是非、この機会に解明したいんです。よろしくお願いいたします」SCMはお客様のお客様からサプライヤーのサプライヤーまでの統合的なマネジメントを目指す。全体が分かっていなければ、当然売り方、運び方、作り方、買い方はバラバラとなる。例えば、こんなケースもあった。日ごろ、親しくさせてもらっているD社からこんな依頼があった。「大手の取引先E社から、E社のSCM活動にSCMの改革として、どんな協力ができるのか至急提案して欲しいという要求が出ています。どういう提案をしたら良いのでしょう。一緒に検討していただけませんか?今、急いでお客様のE社とどんな仕組みで仕事をしているのか社内で調べています。全部分かる人はいないんです。営業、設計、物流、情報、経理、それぞれ窓口が違いますから」サプライチェーン全体が把握しきれていないのだ。多くの大企業は似たような実態にある。
既存の出版業では、流通ルートに載せるためには最低限の部数が必要なために、狭い範囲でしかニーズのない原稿は、いかに有用な内容のものであっても出版することは困難です。どうしても出版しようと自費出版を頼むと、数十万円の出費を覚悟する必要があります。しかし、インターネットを利用すれば、少部数の出版が可能となりますし、一度出版されたものの、ニーズが減って絶版にせざるを得なかった本でも再流通させることが可能となります。アメリカのアイユニバース・ドットコムで提供している「Writer’sClubPress」と呼ぶパッケージサービスは、わずか99ドルで表紙、目次のデザインや図版、テキストのレイアウトまでの作業を代行し、「Writer’sShowcase」では299ドルでプロの編集スタッフが原稿のチェックまでを行うサービスを提供し、ペーパーバックスを製作しています。原稿の校正や契約書の取り交わしなどはほとんどネット上で行われますので、原稿から完成まで1〜2ヵ月で済むというスピーディさです。また、出版社が本の内容だけを配信販売して、購入者は電子フッターソフトを使って読書するということも可能になっています。この方法であれば、PDAにダウンロードすることで電車の中ででも読書が可能ですが、紙に比べて扱いにくいことは否めません。紙のように薄いディスプレイが開発中ですから、これが完成すれば読書のあり方が大きく変化することが期待されています。