一般的に、DHAの安全性について説明しておこう。DHAは、われわれ日本人が昔から好んで食べてきた海産物に豊富に含まれる栄養素である。しかもそれを食べて世界一の長寿国となっている現状を考えると。安全性については歴史が証明していると言えなくもない。しかし、いくら食品由来の栄養素と言っても、DHAだけを単独で抽出して摂取する場合には、魚を食べている場合とはちょっと事情が違ってくる。最初から絶対に安全だと決めてかかってはいけない。私も含めて研究したり製品化したりする側の人間は、つねに安全性についてのチェックを怠らない姿勢か必要である。DHAの最大の欠点は、酸化しやすいことである。たとえば、てんぷら油を長い間空気中にさらしておくと嫌な臭いがしてくるが、あれは空気中の酸素によって油か酸化し過酸化脂質が生じたためである。空気中ではてんぷら油より魚の油のほうがはるかに酸化しやすい。酸化した油、つまり過酸化脂質を実験用ネズミに大量にあたえると、老化や成人病の促進因子になることがわかっているが、これはわれわれが日常的に気をつけていればある程度避けられる。臭いや味で危険を知り、うっかり食べた場合でも、嘔吐や下痢という反応で体外へ早期に出してしまうことができる。